これまでの銀座の街は、『銀座フィルター』という、粋な不文律であり、紳士協定といえるものが働くことで、銀座らしくないものが自然と消えていき、銀座らしいものだけが生き残ることでできてきました。

しかし、昨今の経済状況の変化や国際化によって、少々野暮でも、銀座フィルターを目に見える形でルール化しておくことが必要となっています。(詳しくは、銀座街づくり会議の発足の経緯と趣旨をご覧ください。)

銀座は様々な顔を持った街です。昼の顔・夜の顔、伝統と最先端、ハレ(非日常性)とケ(日常性)など、相反する多様な要素があります。商業だけではなく、オフィスや住宅の機能とエリアが混ざり合い、大通りから路地まで、さまざまな空間が広がります。

そこで、デザインに関するルールを決める際にも、色や大きさなどを数値で縛るようなルールをつくるのではなく、建物や広告の色・かたち・デザインなどが、「銀座らしさを損なうものでないかどうか」「銀座にふさわしくないものでないかどうか」「銀座のまちをよりよくするものであるかどうか」を、開発者と街の人たちとで協議する、そのプロセスをルールとすることとしました。要望や意見を伝えるだけではなく、コミュニケーションの場でもあります。