発足の経緯と主旨

銀座は明治以来、全国の繁華街・商店街の象徴として皆様に愛されてきました。街の歴史をふまえ伝統を大切にしながらも、常に先進的であり情報発信をし続けてきたからです。その独自の発展は、個々の商店が銀座の街を愛し、その歴史によってつくられた場所性を大事にし、「銀座らしさとは何か」を常に考えながら商売を営んできたこと、また通り会・町会をはじめとするさまざまな団体によって街の将来や課題を皆で話し合うプロセスからつちかわれてきたものです。それらは「銀座フィルター」とも名づけられるべき、目に見えないフィルターとなって、銀座らしい街並みをつくりあげてきました。

しかし、昨今、経済状況や国際化の進展ばかりでなく、地球環境を視野に入れた都市計画や交通計画の考え方、そしてライフスタイルの価値観等が大きく変わってきているなかにおいて、これまで街が共有してきた「銀座らしさ」とは何かということが改めて問われています。また、銀座通りの改修問題、交通や駐車の問題、広告看板や音声の規制の問題等、銀座にも目に見えないフィルターだけでは対処しきれない課題が生まれてきています。

現在、銀座には地区計画「銀座ルール」があり、容積率や建物の高さ制限、壁面後退等について決められています。駐車場に関する特別ルールもあります。 そこで、銀座で代々商売を営む者、銀座に住む人、銀座で働く人、そして銀座に新たに入ってきてくださる方々、銀座にいらしてくださるお客様が、ともに共有できる銀座将来像を描き、銀座をよりよい街としてゆくために、2004年「銀座街づくり会議」を設立いたしました。銀座街づくり会議では、地区計画「銀座ルール」の改正や、協議型まちづくりの検討を行い、2006年銀座デザイン協議会を発足しました。

銀座街づくり会議の目的

  1. 銀座の街づくりに関わる様々な問題、新規開発計画等の窓口となる。
  2. 銀座内外において、銀座街づくりのありかたをめぐるオープンな議論を展開する。
  3. 銀座の将来像を描き、銀座デザインルールを策定する。
  4. 協議型まちづくりを目指し、銀座デザイン協議会を運営する。
  5. 街づくりのための手法を提案する。
  6. 銀座の街の良さや、銀座の街の活動などを広報する。

組織構成

銀座街づくり会議は現在、公共空間のあり方や駐車場ルールの改正など、銀座の将来に向けた総合的かつ具体的な議論をする場として機能しています。街の大きな課題だけでなく、銀座デザイン協議会で問題なっているテーマについても議論し、銀座全体の課題として全銀座で共有しています。

※全銀座会とは
銀座の1~8丁目全エリアの町会・通り会・業種業態組合・任意団体等、合わせて34団体を取りまとめる組織です。任意団体ですが、定款を持ち、幹事会・定例会および総会(年1回)を開催し、「銀座エリアの最高意思決定機関」として中央区からも認められています。また、銀座の各エリア・通りには、連合町会・町会・通り会があり、それぞれ独自のイベントや街づくり活動を活発に行っています。全銀座会はその個性的なエリア・通りをまとめあげる役割を担っています。

活動の内容

銀座街づくり会議では、2004年の設立以来、さまざまなシンポジウムや勉強会を重ねて専門家のご意見を聞き、銀座内の意見をヒヤリングしてきました。そして中央区との協議を経て、2006年に地区計画「銀座ルール」を改正し、同時に協議型まちづくりをめざし銀座デザイン協議会を設立いたしました。

現在、銀座街づくり会議では、以下のような活動をしています。

銀座街づくりのさまざまな課題の検討

銀座まちづくりの骨格を決めている、地区計画「銀座ルール」と駐車場ルールは、現在のものが完成型ではなく、さまざまな検討課題を残していると考えています。たとえば、荷捌き駐車場のありかた、銀座における文化の意味と文化活動の育成、建物用途(オフィスや住宅)と地区計画の関係等。その他にも、日常的に起こるさまざまな課題に対応していきます。

銀座デザイン協議会の運営

2006年11月に設立した銀座デザイン協議会の運営を行っています。

銀座デザインルールの充実化

2008年に2年間の銀座デザイン協議会の実績を踏まえて編まれた「銀座デザインルール」第1版を刊行して以降、2011年に第2版、2015年に第2版追補別冊と更新を続け、ルールを進化させてきました。2021年に発行した第3版は、街並みに留まらない総合的な視点で銀座街づくりを捉えなおし、銀座らしい地区の街づくりのデザインとしてまとめました。

シンポジウム、勉強会の開催

その時どきの課題に則したシンポジウムを開催して啓発に努めたり、学生たちの銀座研究を支援しています。

文化活動の支援

汐留浜離宮ビル「銀座室」の運営やこどもたちの歌舞伎公演の企画など、銀座の文化が広がるような活動を支援しています。

銀座ヴィジョンの検討

2014年に発足したG2020を引き継ぐ形で2022年5月から、銀座ヴィジョン会議が立ち上がりました。商業の街“銀座”の未来を、多くの人々やモノゴトとの出会いを通じて考えていきます。

銀座内外への広報活動

ニューズレターを発行し、活動内容をお知らせしています。また、雑誌・新聞等の取材に対応しています。

町会、通り会等のまちづくり活動支援

町会、通り会、団体でのまちづくり勉強会や、イベントの支援を行っています。

これまでの活動

銀座街づくりヴィジョン」に描いた銀座将来像をもとに、地区計画の改正、銀座デザイン協議会設立、銀座デザインルールの発行など、銀座が直面する課題に対し、その都度対応してまいりました。
銀座街づくり会議の設立から10年、そしてさらに15年の節目には、これまでの歩みをまとめた冊子を作成いたしました。

「銀座街づくり会議 2004-2014」

A4カラー 36ページ
責任編集:銀座街づくり会議・銀座デザイン協議会
発行:銀座街づくり会議
制作協賛:一般財団法人交詢社
発行日:2014年7月11日

「NEWS LETTERS 2004-2019」

A4カラー 76ページ
責任編集:銀座街づくり会議・銀座デザイン協議会
発行:銀座街づくり会議
発行日:2020年6月25日
制作・印刷代実費 ¥1,000(送料別)

シンポジウム・報告会

銀座街づくり会議では、銀座の抱えるさまざまな課題について勉強したり、広く意見をお聞きするために、さまざまなシンポジウムや勉強会を開催しています。
また、活動の報告会をひらいているほか、学生による銀座の調査、提案の発表会を行っています。