報告会

銀座街づくり会議の課題―次のステップに向けて+デザインレビュー2012

日時 2012年6月11日(月) 16時~17時半
場所

紙パルプ会館・銀座フェニックスプラザ

出席者

約120名

共催

銀座街づくり会議 全銀座会

協力

紙パルプ会館・銀座フェニックスプラザ

プログラム

報告内容
1) 2011年度銀座街づくり会議活動報告
・1年間の活動報告
・今後の活動計画について
2) 銀座デザイン協議会 デザインレヴュー2012
・協議件数および協議事例
・今後の課題
3) 銀座街づくり会議の課題―次のステップに向けて
質疑応答
ご報告いただいた先生方
蓑原 敬 (都市プランナー)
小林 博人 (慶應義塾大学教授 小林・槇デザインワークショップ)
中島 直人 (慶應義塾大学専任講師)

概要
デザインレビュー2012

6月11日、紙パルプ会館フェニックスプラザにて、2011年度・銀座街づくり会議の活動報告会を開催しました。
主な内容は、1)銀座街づくり会議・この1年間の活動報告、2)銀座デザイン協議会・デザインレビュー、3)銀座街づくり会議の課題―次のステップに向けて、の3つです。
小坂俊幸評議会議長の挨拶に始まり、小林博人さん(慶應義塾大学教授)、中島直人さん(慶應義塾大学専任講師)にデザインルール第二版の出版のご報告をいただいたほか、蓑原敬さん(都市プランナー)には、ご講演をいただきました。 約700件のデザイン申請に対応し、「銀座デザインルール」第二版を編集する過程で明らかになってきた、銀座の新たな課題について、銀座街づくり会議アドバイザーの蓑原敬さんと、銀座街づくり会議の竹沢えり子が銀座の課題について話しました。
まず、蓑原さんが日本の都市計画の歩みを欧米諸都市と比較しながら大きな流れを説明し、竹沢がその中で銀座は、震災、戦災といった激変を体験しながら、90年代後半から銀座都市デザインの考え方を言語化・ルール化してゆき、銀座デザイン協議会の設立に至った過程を説明しました。それらを総括すると、銀座がどのような都市のあり方を選択してきたのかが明らかになってきます。具体的には、街全体の都市デザインを大事にし、敷地単位での利益や街並にそぐわないデザインを優先しない、大規模開発によるスーパーブロック化を避け歩きやすい街区スケールの維持、敷地ごとの主体的な開発は維持しつつ地区や通りごとの特徴・調和を考える、路地空間などの記憶の継承に配慮、銀座の意思をまとめる組織がある、中央区を初めとする公共機関が銀座を支えていること等があげられます。
それらをふまえて、銀座はどのように次の段階に進めばよいでしょうか。地区・通りごとのガイドラインや協議を充実させていくことが重要です。しかし道路空間や公共空間の整備など、地元の力だけではどうにもならないことがあります。地元が全体的な考え方を整理し、縦割りになりがちな行政がそれに協力する形が、銀座なら可能かもしれません。また商業床誘致に特化した地区計画の再検討も必要です。 さらに日本が世界的に遅れをとっているのは、文化活動活性化による観光客誘致です。歌舞伎をはじめ、画廊の集積等、銀座特有の文化活動をいかに戦略的に街の活性化に結びつけていくかが今後の大きな課題です。
銀座街づくり会議では、これらの課題を継続的に議論し、区・都・国に提案していきたいと考えています。